証拠も手に入れたし、早速、慰謝料請求していきます!
ちょっと待って。
本当にその証拠だけでいいか確認してみよう。
いやいや、性行為してる動画があるんですよ!
言い逃れなんてできないんですよ!!
それだけじゃ足りない場合もあるんだよ。
絶対的な証拠があるのに足りないの?
不倫の証拠があっても、慰謝料が認められないことがあるんです。
不倫の証拠についてはこちら。
ただ、不倫の証拠があるならば、ほぼほぼ慰謝料請求が認められますので、そこまで心配する必要はありません。
しかし、それでも100%確実とまでは言えません。
少しでも慰謝料請求が認められる可能性をあげるため、その他にあった方がいい証拠も確認していきましょう。
不倫の証拠があるのに慰謝料がもらえない!?
不倫の証拠が手元にあるのに慰謝料請求が認められない場合があるんです。
主な理由は以下の2つです。
- 不倫が始まる前から夫婦関係が破綻していた
- 不倫相手が、夫を既婚者であると知らなかった
不倫が始まる前から夫婦仲が悪かった場合、そもそも傷ついてないだろうから慰謝料は発生しない。
裁判所はこのように考えています。
では、夫婦仲が悪いというのは誰が、どうやって判断するんでしょうか。
例えば、あなたは不仲とは感じてないとしても、夫が不仲だと思っていたら?
不倫が始まる前日に大喧嘩をしていたら?
家庭内別居が続いていて、ほとんど会話が無かったら、それは不仲ということでしょうか?
裁判所の考える不仲の基準は結構厳しめで、上記であれば慰謝料の発生を認めるという立場をとることがほとんどです。
不仲に該当するのは、「十数年別居している」「不倫前に離婚届を記入している」という事情がある場合です。
この場合は不倫前から不仲であると判断され、慰謝料が発生しないことがありえます。
別居とはいっても、仕事上の単身赴任が理由であれば問題ないことが多いです。
離婚届を書いた理由が不倫に関連していれのであれば、慰謝料が認められる可能性は高いです。
いずれにしても、不仲を理由として慰謝料が発生しないことは、極めて稀な状況と考えてもらって結構です。
次に、「不倫相手が、夫を既婚者であると知らなかった」について説明します。
不倫相手が、そもそも不倫であることを知らなかった、つまり、夫を独身だと思っていた場合、慰謝料が発生しないことがありえます。
むしろ、不倫相手が、貞操権を侵害されたと主張して、夫に対して慰謝料の請求をしてくることも考えられます。
そのため、「夫が既婚者である」ことを、不倫相手は知っていたという証拠を集めることが必要になります。
既婚者であることの証拠
そもそもの話になってしまいますが、相手が不倫を認めているのであれば、証拠は無くても問題ありません。
同様に「既婚者だと知っていたかどうか」についても、不倫相手が「知ってた」と認めさえすれば、証拠は必要ありません。
しかし、一般的に不倫相手は簡単には自分の非を認めません。
多くの不倫相手はどうにかして慰謝料を支払わずに済ませたい、と思っていますので色々と反論をしてきます。
その反論でよくあるのが「既婚者とは知らなかった」です。
仮に、不倫相手の主張が事実だった場合、慰謝料請求が認められないどころか、不倫相手があなたの夫を貞操権侵害で訴えてくることもありえます。
そのために「不倫相手が、夫を既婚者だと知っていた証拠」を掴む必要があるんです。
具体的には、不倫相手か夫があなたの存在を認識していることが確認できるやりとりです。
例えば、「奥さんは心配しないの?」とか「妻は出かけてる」のような、あなたの存在を知っていることを前提として話されているやりとりがあれば、それが証拠になります。
その他、「子供たちは元気」とか「もうすぐ受験」とか、夫に子供がいることを認識しているやりとりがあれば、それも証拠となりえます。
子供がいることを認識しているのであれば、結婚していることも知ってたよね?と言えるからです。
ただ、この場合、夫が「バツイチ」などと不倫相手に説明しているようであれば、証拠としての信憑性は欠けてはしまいます。
証拠がない場合の対応
そんな証拠なんてないよ、という方もご安心ください。
不倫相手が「既婚者とは知らなかった」と言ってきた場合であっても、それがそのまま認められてしまうわけではありません。
そもそも、不倫をしようと考えてる既婚者が、わざわざ積極的に「自分が既婚者である」と不倫相手に伝えるでしょうか?
もちろん誠実(?)な既婚者は、関係を持つ前に自身が既婚者であることを打ち明けるかもしれません。
しかし、「聞かれなければ打ち明けない」とか「聞かれたけど曖昧に回答する」という人がほとんどではないでしょうか。
むしろ既婚者が自分から打ち明けないのは当然だし、交際してたときに既婚者だと気づけたはずだよね?という風に裁判所は考えます。
実際、「一度も家に行ったことがない」「夜9時以降は電話したことない」など、既婚者だと思わない方が不自然という交際状況であることも多々あります。
そのため、「既婚者だと知らなかった」という主張はなかなか認められないというのが実務上の扱いです。
ただ、出会い系アプリのプロフィール情報で「未婚」と偽っていたとか、LINEやメールで独身と偽っていた等の事情があれば、慰謝料を支払う必要はないと認められてしまう可能性もあります。
不倫の証拠とともに「不倫相手が、夫を既婚者と知っていた証拠」も集めておくとよいでしょう。
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