やっぱり内容証明郵便で送った方がいいんですよね?
必ずしも内容証明郵便でなくても大丈夫だよ。
でも内容証明郵便の方が効果ありますよね?
内容証明に支払いを強制するような効果はないから、他の方法でも問題ないよ。
でも法律事務所は内容証明郵便を送ってるんでしょ?
不倫の慰謝料請求の依頼を受けた弁護士は、基本的に内容証明郵便で不倫相手に通知を送ります。
もちろん、弁護士によっては電話とかメールで連絡することもあるでしょうが、ほとんどは内容証明郵便です。
そのため、あなたが自分で請求する際も、内容証明郵便の方がいいのかなと感じていると思います。
しかし、実際には内容証明郵便を送らなくとも問題はありません。
弁護士が内容証明郵便を送る理由
なぜ、弁護士が内容証明郵便を送るのかというと、それは時効管理のためです。
刑事ドラマでよく聞く「時効」ですが、慰謝料請求にも時効はあります。
詳細は別ページでお伝えしますが、「不倫を知ってから3年、もしくは不倫があってから20年」と覚えておけば大丈夫です。
時効を過ぎてしまいますと、仮に請求を行ったとしても、不倫相手が時効を主張した場合に慰謝料の回収が難しくなります。
そのため、弁護士としては絶対に時効を経過させるわけにはいきません。
内容証明郵便には時効を一旦止めるという効果がありますので、弁護士はその方法で請求することになります。
ポイントは「絶対」という部分です。
依頼を受けた以上、時効は100%守る必要があります。守らなければ弁護士の責任問題になるからです。
もちろん、しっかりと依頼に対応する意味合いもありますが、弁護士自身の責任を回避する目的も含まれています。
弁護士から反論ありそうですが、少なからず自分の身を守るためにも内容証明郵便を利用しているに過ぎないんです。
その他、内容証明郵便だと対面での受け取りが必要になりますので、不倫相手が驚きやすいという効果もあるとは思います。
あなたが内容証明郵便を利用しなくていい理由
あなたは不倫を知ってから、どれくらいが経過しているでしょうか。
おそらく数日とか数週間とか、少なくとも1年は経っていないと思います。
そうであれば、請求書を内容証明郵便で送らなくても問題はありません。
そもそも、内容証明郵便というのは、郵便局が、書面内容と日付を保証してくれるというのが最大の利点です。
書面内容の保証は、慰謝料の請求を行っていることの証明になり、日付の保証は時効が過ぎていないことの証明になります。
どちらも不倫相手が時効を主張してきた場合の反論材料として有用です。
でも、よく考えてください。
時効は「不倫を知ってから3年、もしくは不倫があってから20年」です。
時効がくる約3年後まで、夫の不倫を放っておくことができる人は、そもそも慰謝料請求なんて考えないでしょう。
すぐにどうにかしたいと思って、なんらかの行動を起こすはずです。
そして、交渉のみで終わるとすると、大体半年以内で解決となることがほとんどです。
裁判をする場合は、もっと時間がかかりますが、裁判をした時点で時効は気にしなくて大丈夫です。
ある程度、証拠集めの期間があったとしても、発覚から解決までに3年が経過することは考えづらいんです。
つまり、不倫相手に慰謝料請求をする場合には時効を気にする意味はほとんどありません。
時効を気にしなくていいなら、あえて内容証明郵便で送る必要もないんです。
ちなみに20年隠されていた不倫が、突然出てくるというのはレアケースなので、こちらも基本的には考えなくていいかと思います。
まとめ
弁護士が内容証明郵便を送る主な理由は、1件の漏れもなく時効になることを絶対に避けるためです。
しかし、不倫の慰謝料請求は発覚してから半年以内には相談いただけることがほとんどです。
つまり、多くの事案は時効まで2年半以上の猶予があり、時効を気にするほど切迫していません。
ただ、年間数百件の依頼を受けていると、もうすぐ時効を迎えるという事案が年間数件は存在します。
また、2年半の猶予があってもなんらかの理由で解決までに時間がかかってしまい、時効が近づいてくることもありえます。
そういったほとんど起こらないけれど、稀に起こりうる事態に備えて内容証明を送っています。
ですので、不倫が発覚してすぐに、あなた自身で請求するのであれば、わざわざ内容証明郵便で送る必要はありません。
内容証明郵便の方が、不倫相手が驚いて対応してくるのではないか、と考える人もいるかもしれません。
しかし、内容証明郵便だろうが、普通郵便だろうが、メールだろうが、対応しない人はしないし、対応する人はします。
内容証明郵便じゃなかったから不倫相手が何も対応してこない、なんてことはありません。
無理に内容証明郵便に固執する必要はありませんので、他の方法で請求を始めてしまって大丈夫です。
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