やっぱり書面で請求した方がいいですよね?
書面でなくても問題はないよ。
メールでもいいんですか?
メールでも大丈夫だよ。
でも、やっぱり書面の方が効果があるんじゃないかな…。
弁護士に依頼せず、自分で請求をしようと思ったとき、どういう方法で請求すればいいか悩みますよね。
法律事務所のホームページ等では、「書面で請求した方がいい」と書いてあることが大半です。
それは事実なのでしょうか?
今回は、各請求方法について解説していきたいと思います。
まず、一般的にとりうる請求方法は以下の4つになるはずです。
- 直接会う
- 電話で話す
- メールを送る
- 書面を送る
1つずつ、メリットやデメリットなどを見ていきましょう。
直接会う
不倫相手の自宅に行く、職場に行く、不倫行為の現場に行く等、いつ、どこで会うのかによって対応も変わってくるでしょう。
しかし、そもそも、直接会うことは避けた方がいいでしょう。
どんなに落ち着いていて冷静な方であっても、不倫相手と対峙すると怒りがこみ上げ、冷静な話し合いができないことがあります。
怒りに任せて発言をしてしまったり、取返しのつかない行動をしてしまう恐れもあります。
不倫相手の自宅を訪ねる場合、突然訪れても、そもそも自宅にあげてはくれないでしょう。
その際、インターホンを何回も鳴らしたり、ドアを叩くなんて行為をしてしまったら、「脅された」と主張される可能性もあります。
職場に行った場合、どういう用件で来たのかということを受付の方や第三者に伝える必要があるでしょう。
たとえ不倫が真実だったとしても、プライバシーの侵害や名誉棄損に該当すると言われてしまう可能性もあります。
嘘の理由を伝えて会社に入った場合、建造物侵入なんてことにもなりかねません。
いずれにせよ、直接会うことはあまり得策ではないと思います。
しかし、どうしても直接会って話を聞かないと納得できない、という方もいらっしゃると思います。
その場合は、あらかじめ電話等で不倫相手と連絡を取り、喫茶店等、個室ではない開けた場所で少人数で会うことが望ましいです。
不倫という人に知られたくない話をするから、カラオケボックス等の個室の方がいいとお考えの方もいるはずです。
しかし、個室だとそこで何が行われているのかが分かりません。
仮に、その場で不倫を認め、慰謝料の約束をしたとしても、後になって、「脅されて約束をしてしまった」等と言われる可能性も否定できません。
また、不倫相手が一人なのに対し、あなたが家族や友人を複数人連れていくと、「大人数だったので怖くて仕方なく従った」等と言われる可能性もあります。
そのため、喫茶店やファミレス等の開けた場所で、できるだけ少人数で会う方がいいでしょう。
直接話す際は録音することをお勧めしますが、逆に不倫相手が録音をしている場合もあります。
努めて冷静に話し合いをするように心がけてください。
電話で話す
電話で話す場合も直接話すときと同様、冷静に話し合いをすることを心がけてください。
電話であっても、「高圧的な態度で怖くて慰謝料の支払いを約束してしまった」と反論される可能性はあります。
仮に不倫相手に通話内容が録音されていたとしても大丈夫なよう、罵声等は浴びせず、怒りを抑えて対応しましょう。
また、不倫相手の電話番号が分からない場合、職場に電話をする方もいますが、プライバシーの問題等がありますので止めるべきです。
最終的に、和解書を取り交わす約束ができればよいですが、電話だと和解内容を不倫相手に確認させることが難しいと思います。
そのため、メール等を併用するのが望ましいでしょう。
メールを送る
一番の利点は、直接会ったり、電話をするよりも落ち着いて一方的にできる点です。
メール等でメッセージを送る方法であれば、送る前に落ち着いて、自分が作成した文章を見返すことができます。
また、不倫相手の都合などお構いなしに一方的に送ることが可能です。
ただ、メールだと不倫相手から返事がない間はモヤモヤした気持ちが続くでしょう。
そして、おそらく不倫相手からの返信はすぐにはきません。
さらに、不倫相手は「どうしてバレたのか」「どういう返信をしたら自分に都合がいいのか」を十分に検討してから返信してきます。
「大変申し訳ございません」等の謝罪の言葉が返ってくるかもしれませんが、相手の様子が見えないため、怒りがおさまることはありません。
それでもメール等を利用して送るというのは最も手軽な方法だとは思います。
そもそも連絡先がメールやLINEしか分からないことも多く、積極的に利用すべきものと考えられます。
書面を送る
書面で請求するメリットはメールと同様、作成した後、記載した文章を見返せるというところです。
また、不倫相手の連絡先は分からないが住所だけは分かるという場合には、この方法を選択する以外にありません。
実際に送る書面は事前にコピー等をしておき、自分用に控えをとっておくと良いでしょう。
コピーが手間であれば携帯の写真に撮って残しておくという方法でも問題ありません。
発送方法は、書留やレターパック等、郵便物を追跡できる方法で送った方がいいでしょう。
届いたかどうかソワソワしますので、実際に、その書面が不倫相手の自宅にいつ届いたのかを確認するためです。
弁護士は内容証明で送ることがほとんどですが、時効が近いという状況でなければ、わざわざ内容証明で送らなくとも問題はありません。
内容証明で送った方が慰謝料の回収がしやすいということもありません。
送り先について、不倫相手の自宅ではなく、職場に送るのは上記同様の理由で控えるべきです。
まとめ
実際に不倫相手に請求する際は、あなたが一番やりやすい方法を選んでいただいて構いません。
「不倫相手が一番支払いをしてくる方法」というものはありません。
私が知らないだけで統計データがあるかもしれませんが、慰謝料請求に長年携わった体感として、請求方法による差異はありません。
ただ、いずれの方法を採る場合も、不倫の事実を故意に第三者に知らせるような行為は避けるべきです。
逆に、不倫相手からあなたが訴えられてしまう可能性もでてきてしまうからです。
それを守ったうえで、自分に合った方法で請求していきましょう。
必ずしも書面で請求しなければいけないというわけではありません。
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